超時空世紀オーガス のヒロイン ミムジイ・ラース フルスクラッチビルド 1/6 スケール |
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元々は超時空要塞マクロスのヒロイン、リンミンメイとして造ってた。 裸の状態までは仕上がったのだが、 どーにも気に入ったコスチュームが無かったので放置。 流石に素っ裸のままでは気まずいので 濃紺水着風に塗装はしておいたが。 そのうちオーガスが始まってミムジイが世に出た。 これなら苦労して造ったボディーラインをコスチュームで 隠さずにすむ、ってんで造りなおし。 はっきり言ってキャラ自体への思い入れは皆無。アニメも殆ど見なかったし。 これに限らず公開した版権物は全て例外無く思い入れなんて微塵も無いのだが。 ファンロードのコンテストか何かに応募して佳作を貰った記憶がある。 写真撮影がうまく出来なかったので実物を編集部に送ったのだが、 設定画のポーズなのに真正面見下ろし気味に撮影されてorz 一般誌ならいざ知らず、アニメ誌なのだから当然分かってくれると 思っていたのだが・・・。その上戻ってきたら足が片方折れてるし、散々だった。 |
The Five Star Stories FATIMA CLOTHO 1/6 Scale |
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角川書店 重戦機エルガイム-[1] p55 Fatima Fatis + The Five Star Stories のクローソー 永野先生によるロジャー・ディーンの これを作るバカは流石に居ないであろう、作ってみるべとでっちあげた。 頭髪は確か紙粘土、体の芯はバルサだったような。他は何を使ったのか覚えていない。 この頃フィギュア原型師の仕事をしてみたくなり、関東にあるガレキメーカーで ヲタク臭く無さげなWAVEに的を絞ってアポ取ってコイツを持ち込んだ。 これはウケるだろう、仕上がりよりインパクト重視!! 目論見は見事にキマり、応対に出た開発部の方々にバカウケ。 「ほんとに作る奴が居たとは思わなかった」 「目の当たりにするとキョーレツだなあ」 しかしここで意外な盲点が発覚。 「惜しいなあ、ファティマスーツって艶有りなんだよね」 俺:「へっ・・・?」 そう、持ち込んだ時点ではつや消しだったのだ。シャツ?はパール入りのグロスを 粒子粗く吹き付けてあるのだが、スーツ?(赤い部分)はベルベットをイメージしてた。 永野センセのイラストを見ただけでは艶有りとはとても思えなかったんだけど。 元になったイラストはエルガイム時代の物でFSSとは時期が違うし。 しかしそういわれてみれば漫画ではシャドウの入れ方がキツかったような・・・。 原型師として採用される確約を得、持ち帰ったあとグロスで塗装しなおし。 |
TVアニメ 超音戦士ボーグマン ヒロイン アニス・ファーム WAVE 1/8 スケール |
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WAVE で原型製作を請け負った最初の製品。 開発室で何を作ろうかと担当者と打ち合わせをしたときに 月刊アニメージュを提示された。パラパラとめくっていて 担当者に幾つかキャラを指定されその中から「じゃあコレを 作ります」と実に安易に決めた。それまでキャラデザの 菊地通隆先生の事は知らなかった。 アニメどころかTVを殆ど見ないんで。 制作はえらい苦労した。自分本来の芸風からは大きく逸脱 してる上、先行他社の製品よりも良い物をなどと経験浅い クセに気張ったせいで、途中で一から作り直すハメに。 その際に服の厚みを可能な限り薄くし、エッジも研いで 軽快さが出るようにした。分割ラインも工夫して、 素組みでも接着面が目立たないようにした。 普通顔とウインク顔を選択できるように首を別パーツに した が、ちょっとすわりが悪くなってしまった。 元になった描き下ろしセル画はウエストショットだったので、 スカートより下のポーズはテキトーにでっち上げ。 完全な設定画を貰えなかったので 後姿がどうなっている のか分からず 、仕方なく1度だけ番組を録画して調べた。 アニスはキャラ自体にそこそこ人気が出て、WAVE の フィギュア製品としては異例な「チョコレート型製作」を するほど売れたそうだ。おかげで「菊地/麻宮キャラは きゅーり君に」みたいな変なレッテルが貼られちまった らしく、最後まで他の作家作品をやらせてもらえなかった。 静岡の模型見本市に小売店の立場で参加すべく会場に 向かう途中、自分のすぐ目の前にいた二人組みが他社製品と このアニスを比較して褒めちぎってくれてたっけ。 あの時は嬉しかったなあ・・・。 写真は月刊ホビージャパンの作例記事用に編集部が 撮影したもの。たしかコレは店頭展示用で、 他にもう一つ完成品を制作し菊地先生に譲渡した。 |
TVアニメ 超音戦士ボーグマン ファントム・スワット 桂 美姫 WAVE 1/8 スケール |
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これも苦労した製品。つーか氷室美久以外は全部苦労したんだけど。 とにかくパーツが多く、フィギュアというよりもポーズ固定のロボットキットに近いカンジ。 ポーズは当時の担当氏(後にスピンアウトしてファルシオンを立ち上げる)が考えた。 ヘルメットを小脇に抱える為、先にそいつがキマらないとポーズが煮詰まらない。 坊主頭で凡そ仕上げてヘルメットを被しバランスを取り、それから左腕のポーズを変更した。 次の製品から担当するS氏が無茶な注文を付けてくれたのが強く印象に残っている。 S氏:「ヘルメットを被せられるように出来ませんか」 俺:「頭髪を別パーツにするんですか? 前髪別パーツ化さえ嫌がってたのに?」 S氏:「いや、髪の毛全部一体成型で」 俺:「無茶言わんで下さいよ! 本物みたいに髪の毛潰れないんですから!」 製品は概ねダボの噛み合いで接合がキマるようにしたが、両膝の噛み合いが甘く 組みに慎重さを要求する出来になってしまった。顔の立体感を強めに(リアル志向に振って) したらやり過ぎて眼球が多少出っ張り気味に。デカールで手を抜けず嫌でも塗る必要がある。 (2015/10/16 追記) この手のフィギュアを購入する層の多くは萌え系の芸風を好むので、 リアル系へ振るのは商売的に好ましくはない。 確かこの桂美姫からだったと記憶しているが、原作者からの 「できるだけリアルっぽく」というリクエストに応えた(つもり)だけだった。 作例記事用の完成品 は、 後に香津美以外のサイメビキャラを手がけるモデラー神無月氏が制作し、 月刊モデルグラフィックス誌に掲載。確か店頭展示用も兼ねていたと記憶している。 (2005/11/23 追記) 彼は大柄で性格も大らか、気持ちの良い青年だった。作例完成後に 「きゅーりさん、塗るの大変だったんですよ~」 と言われた。原型チェックの時に「表面処理が荒い」と言われてムキになったオイラは 乾燥後の塗膜が堅い塗料を塗ったくりコンパウンドでツルツルに 磨いてから納品したのだが、彼は洗っただけで足付け無しで塗装をしたらしい。 ツルツルでは塗料が食い付かず、マスキングテープを剥がしたら 塗った塗料までベロンとハゲたそうだ。ハゲた塗膜を塗料で貼り付けて 誤魔化したそうだからその根性には恐れ入った。 彼:「時間無かったし、誤魔化すの苦労しましたよ。塗り直ししませんでしたけど」 オレ:「・・・普通、離型剤落とすために一皮剥くつもりで研がない?」 彼:「え~、そこまでしませんよ。メンドクサイじゃないですか」 オレ:「俺なんかスポンジタワシとクレンザーでマット(つや消し)になるまで磨くよ?」 彼が作例を作ったので、自分は菊地先生に譲渡する物のみ完成品を制作した。 担当S氏によれば先生はその完成品をえらく気に入っていただけたそうで、 他のフィギュア完成品を押しのけて最も手近な場所に飾ったそうだ。 ・・・・が、ご本人に確かめたわけではないので話半分に聞いてたが。 S氏は原型師をやたらヨイショする人だったからなあ。 ヨイショと言えばS氏は俺の事を「きゅーり先生」と呼ぶんだけど、 俺:「先生なんてやめて下さいよ。しょせん俺は二次著作物を作ってるだけなんですから」 S氏:「そうは言っても、一応フィギュア原型という作品を作っているわけだし」 俺:「自分は他人の2次元デザインを3次元にコンバートしてるだけですから。ましてや 自分の芸風を加味するどころか可能な限り足さないように心がけてますんで。作家を 気取って良いのはデザインをした人だけでしょう。だから先生呼ばわりしないで下さい」 S氏:「そんな事を言う人は初めてだ」 某ユノスで有名な荒木元太郎氏みたいに ”自分でデザインした作品を創っている”のならともかく、 俺なんて只の2D-3Dコンバート屋でしかなかったからなあ。 |
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↑アーマー無しの状態。背面のアーマーは一体成型。 ↓ヘルメットは一応内部のディティールも作りこんである。 製品の頭髪ボリュームを削り込んでメット被せても、 設定画どおりのバランスとイメージになるよう造形してある。 |
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麻宮騎亜著・サイレントメビウス ヒロインの香津美リキュール WAVE 1/8 |
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マンガ連載に一ヶ月くらい遅れて制作がスタート。 最初はこんな大規模な製品になるとは思っていなかった。 先行他社が手にナイフを持たせて製品化してたので、ウチも何か持たせましょう、 麻宮先生にオリジナルの剣か何かをデザインしてもらって・・・という話に。 しかし、描き下ろしのラフ を見せられてぶっ飛んだ。なんじゃこりゃあああ!! フィギュア本体よりデカイではないか!! ちょっとマテ。話が違う!! その上、造形の拠り所となる原作が、毎回顔の芸風が変わる。 原作の顔が変わってしまっていて、しかも「最新の顔にしろ」と原作者からの指示。 フザケンナ!!こんなんじゃ何時までも完成しねーだろーが!! 原作の芸風が落ち着いて製品が完成し、宣伝を兼ねた作例記事が出てまた怒り心頭。 B-Club の作例記事で「似てない」とバッサリ。そのくせ作例は俺のより似ていないから なおさら腹が立った。「散々弄くって」おいて、俺のより似てないってどーよ? 見てのとおり重心が上に来るポーズなので自立しそうに無かったのだが、 意地で自立させた。バカ正直に造形せず剣の切っ先を後ろに引いて 3点支持にアレンジしておくべきだったかもしれない。 写真の完成品は作例記事等には使われず、広告及び店頭展示用。 例によってもう一体完成品を麻宮先生に譲渡。 |
邪悪な剣・剣皇グロスポリナー 問題のグロポリ。真空注形で量産するということで芯にピアノ線を用い、 造形はタミヤのエポキシパテをふんだんに使用。 いつもの事だがロクに資料が無い上、デザイナー氏のラフと 原作の一コマ々々々まで全て形が違っていた。 更に柄?のあたりはどんな形しているのか皆目不明ときたもんだ。 こうも原作の描写がバラバラだと、割り切って自分の好みで作るしかない。 元絵どおりに作ると、グロポリ単体で見たときに刃がだらしなく 垂れ下がってるようにしか見えないため、大幅にアレンジを入れた。 それでも若干垂れ下がり気味で、もっと割り切って凛としたスタイルにすべきだった。 量産方法が二転したのにも参った。切っ先から柄尻まで真空注型で一発成形だと言うから ピアノ線を芯にしたのに、完成間近になってから「遠心注型にする」というorz そのままでは遠心注型機に収まらないので、 えらい苦労して(ゴツいピアノ線が入ってるから)切断・成形しなおした頃 「やっぱり真空にて1発成形で」・・・orz 別パーツにした「顎」や「額」を手に 「いいでしょー、ホワイトメタル製ですよ」 とはしゃぐ担当氏を尻目に (ただでさえ重心が高くて自立し辛いのに比重の大きい材質を使ってんじゃねーよorz)と モチベーション下がりまくりですた。 支えのL&Mは当時よくのんでた。WAVEの阿部社長がこれを見てすかさず、 「おっレッドミラージュだね☆」 と言ったのが強く印象に残ってる。 俺:「へっ?レッドミラージュってRED MIRAGE じゃなかったでしたっけ?」←バカ 阿部社長:「いや、エル・イー・ディーだから」 俺:「あ、あれ?そうでしたっけ?あは、あははははは」←バカ丸出し 阿部社長は模型流通出身で、およそガレキメーカーやるようなイメージの片鱗も無い ナイスでイケてる実業家って印象が有ったのだが、 何気にモーターヘッドが大好きなのかもしれない。そのギャップが新鮮でした。 下の画像、上が製品で下が1次原型と型取りしたシリコーンゴム型。 1次原型は大分垂れ下っている。型取り後に熱湯に浸し反りを矯正したものを 納品用2次原型とした。 |